夢の余白に寄り添う、静かなふたりの旅人。

ここはどこ？

夜と夢のはざまにある星の潮流で、旅をしているふたり。

星を渡るふたりは、人々がなくした夢を集め届ける。

フィノアは、然るべき場所に夢を導き。

ノクティアは、静かに夢の行く末を見届ける。

ふたりはまるで、夢をひとつの物語として紡ぐように──

ここに記されるのは、夢の余白にそっと寄り添うふたりの足跡とその軌跡。

ふたりは星の潮流の果てへ、遍く星々からも忘れ去られた夢のカケラを見つけに旅を続ける──

イラスト: 望月ぴの。

夜空と水平線の境界に存在する不思議な生き物。迷子になった夢のカケラを拾い集め、人々のもとへ届ける役目を持つ。尾びれを星空に溶け込ませ、静かに空を泳ぐように移動することができる。時折、人の前に姿を現し、彼らが望む夢を見る手助けをしてくれると言われている。

星の潮流には、誰かの忘れられたり見過ごされた夢や、その余白が漂っている。それらの夢の余白は、時に輝きを失い、時に新たな輝きを得て、星々の間をさまよう。フィノアとノクティアは、その夢のカケラを見つけ出し、再び輝きを取り戻す旅をしている。

フィノアは拾い集めた夢のカケラを、自身の身体溶け込ませて運んでいる。夢のカケラは願いや思いの強さに合わせて光り輝く。

ノクティアの尻尾にあるリングは星の潮流への旅に出る前フィノアが渡したもの。ノクティアがかつて大切にしていたとある夢のカケラが埋め込んである。ただ、夢の詳細は思い出せないまま──